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HIVウイルスに感染しただけでは死ぬことはない

細菌

HIVに感染すると死をイメージする人も少なくないですが、感染したからといってすぐに死ぬ訳ではありません。
そもそも人の体は免疫によってウイルスや病原菌から守られているのですが、その中で血液中の白血球の中にあるCD4陽性細胞は病原菌を追い出すために欠かせない存在です。
HIVに感染すると血管の中まで侵入しCD4陽性細胞にくっついて増殖しながらCD4陽性細胞をどんどん破壊してしき、最終的には体の免疫力が落ち、エイズ指標疾患を発症しやすくなります。

ちなみにHIVに感染した事で現れる症状ですが、まず感染から2週間後ぐらいにインフルエンザのような症状が出る事があります。
これは体内でHIVが急激に増殖し始めることが原因で、発熱や喉の痛み、咳、リンパ節の腫れなどで個人差があり、全く症状が出ないケースも多いです。
初期症状が治まるとしばらくは何の症状も出ない無症候期へと進んでいくのですが、免疫力を支えるCD4陽性細胞は破壊されていくので、見た目は健康に見える体も徐々に免疫不全状態になっていきます。

HIVウイルスは感染者の精液や膣分泌液、血液、母乳などに潜んでいて、それらが媒体となって感染するので感染経路は限られています。
ほとんどが性行為によって感染していますが、感染予防する事は可能です。
一番良いのはHIVに感染しない事ですが、もし感染したとしても早期治療する事でエイズ指標疾患の発症も予防する事が出来ます。

HIV感染に気付き、早期治療に臨む時は抗HIV薬が用いられます。
現在の医療技術では完治させる事は難しいのですが、抗HIV薬を服用する事でHIVの増殖を抑える事が出来ます。
以前は1~2剤の内服治療が主流でしたが、すぐにウイルスが耐性を獲得して薬が効かなくなってしまうので、最近は抗HIV薬を3~4剤同時に内服する治療が主流となっています。
また定期的に服用する事が大切で、飲み忘れが続くと薬が効かなくなり治療が困難になります。

エイズ指標疾患23種とは

HIVの感染がわかり早い段階から治療を行うと、普段とほとんど変わらない生活を送る事が出来ます。
逆に治療しないまま無症候期を過ごしていると、免疫力の低下によって普通では感染しないような病原体による悪性腫瘍や神経障害などが起こります。
これがエイズ指標疾患の発症です。

エイズ指標疾患は23種類あり、その病気の種類によって真菌症と原虫感染症、細菌感染症、ウィルス感染症、腫瘍、その他に分けられます。
具体的には真菌症にはクリプトコッカス症やニューモシスチス肺炎があります。
原虫感染症にはトキソプラズマ脳症やクリプトスポリジウム症、細菌感染症にはサルモネラ血症や活動性結核、ウィルス感染症にはサイトメガロウィルス感染症や進行性多巣性白質脳症があります。
腫瘍にはカポジ肉腫や非ホジキンリンパ腫、その他には反復性肺炎やHIV脳症などがあります。

いずれも馴染みのない病名ばかりで、健康で免疫力のある人なら簡単に感染したり発症しない病気です。
この中でも特に発症しやすい病気があり、その一つがニューモシスチス肺炎です。
以前はカリニ肺炎と呼ばれており、呼吸困難や発熱、痰を伴わない咳が特徴です。
またサイトメガロウィルス症候群も多く見られる疾患で肺炎や網膜炎、胃腸炎、脳炎などを引き起こし、治療せずに放置すると死に至ります。

かつてはHIVに感染すると数年後にはエイズ指標疾患を発症し死亡すると言われていましたが、抗HIV薬によって体内のHIVを検出限界以下までコントロール出来るようになりました。
そのためHIVに感染しても亡くなる人が激減したのですが、それでも治療を始めるタイミングによって生存率に差があり、後遺症のリスクも違います。
まずは予防に努め、不幸にも感染した場合は何より早期治療が大切になります。

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